月光荘

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2008/04/05 ISSUE

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・エッセイ「君からメールが来ないから」第1回 文・佐藤 正訓
・Webマガジン「月光荘」創刊にあたって 文・山藤 輝之(SUNTRONIX)

■エッセイ「君からメールが来ないから」第1回 文・佐藤 正訓

今日もあの娘からはメールが来なかった。もう何日ぐらいだろう、最後に来たメールの内容なんてもう忘れてしまった。でも、思いは尽きないのだ。いよいよ強まるばかりだ。
好きなものに対する一途さ、それを人は「美しい」と言ったり、あるいは「馬鹿正直」だと言ったりする。僕は、「どうしようもない気持ち」としか言えない。
僕は、今都内のレコード店でしこしこ働き、最近は制作の方でも活動し先日レーベル【ハヤシライスレコード】を立ち上げ、何ヶ月かに1度には大好きなアーティストさんを呼んでイベント【都会の迷子さん】を企画している。
正直、まったくお金になることをしていない。お金が目標だったらまずこんな馬鹿なことはやらないはずだ。要するにどうしようもなく好きなのだ。それだけなのだ。
自分が満たされない気持ち、どうしてもやりきれない気持ちに陥ったとき、僕は何度も何度も音楽に助けられたような気がする。それは、ホント気がするだけであって、音楽自体にそんな意味があるわけではない。僕はただそのとき、何かに縋っていないと不安で不安で仕方なく、その対象が音楽であったということなんだろう。
そんな大好きな「おんがく」そして「うた」とともに何か自分もできないかと考えるようになった。多くの大切なCD、大事な思い出をつくってくれたライブ、そんな自分の中に深く刻まれているもの、そんな大切なもの、それを見知らぬ誰かに伝えたいと思うようになった。とっても思い上がった考えかもしれない。だが、そのときは俺がやるしかないとまで思った。そんな、尽きない思いを抱きながら、東京は世田谷のボロアパート(もちろん風呂なし)に住んで2年が過ぎた。
好きなこと、好きなものに対してだけは正直でありたいと思う。何年、何十年経っても、生きている限りは。

今回は、第1回目ということで自己紹介がてら自分なりの意思表明みたいなものを書いてみました。これからは、もっとバラエティ豊かな内容で読む人が楽しんでいただけるもの、それなりに読むものとして通用するものを書きたいと思います。来月もよろしくお願いします。




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■Webマガジン「月光荘」創刊にあたって 文・山藤 輝之(SUNTRONIX)

これを書いている今、東京では桜の花が咲いていることになっている。
数日前、確かにちらほらと咲き始めているのを見たが、その後は部屋に
閉じこもっている有様なので、下手をすると、今年は満開の桜を見ることなく、
散ってしまうのかも知れない。

そもそも、この企画を思い立ったのは、桜のつぼみも固く閉ざされた、
2008年2月6日頃のことだ。

2007年に「軽症」を患って以来、なかなか毎日を楽しめずにいた自分が、
本当に好きなことをやって、多くの人と共有することができればと考えたのが、
この企画になる。

創刊にあたっては、管理人の数少ない人脈から多くの人に協力・寄稿をいただき、
貴重な時間と、素敵なテキストを提供していただいた。
感謝の限り、である。

この創刊号を多くの人が読んで、掲載されたアーティストやアルバム、イベントに
興味を抱いて、実際にライブに足を運んだり、アルバムを購入したりというアクション
につながってくれたら嬉しいと思う。
そしてまた、ここに掲載されたコンテンツ自体を楽しんで、ファンの方が、掲載された
アーティストの新しい一面を知ることになってくれれば嬉しい。

「月光荘」には、自分達に必要なメディアを自分達で作ろうという思いも
込めているので、イベントの告知などにも、じゃんじゃん利用していただければ
嬉しいなぁと考えている。

「月光荘」は雑誌であり、共同住居であり、喫茶店のようなサロンでもある。
人の流れが生まれるきっかけになって欲しいと願う次第だ。

随分と硬い文章になってしまったけれど、まずは種を蒔くことができた。
いずれ豊かな収穫の時がやってくるように、次号も頑張ります。

これからWebマガジン「月光荘」をどうぞ、よろしく。




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