月光荘

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2008/04/05 ISSUE

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・三輪二郎といまから山のぼり/おはよう おやすみ 文・佐藤正訓

■三輪二郎といまから山のぼり/おはよう おやすみ 文・佐藤正訓




三輪二郎は横浜生まれのシンガーソングライター。高田渡的フリーマインドで瓢々とした雰囲気のある歌声が魅力的。そしてその歌を支える「いまから山のぼり」の演奏は、突如アヴァンギャルドになっちゃった"はちみつぱい"的で素晴らしいほど新鮮です。エレクトリック・ヴァイオリンを思わせる二胡の吉田悠樹(前野健太、カナリアなどで活動)。轟渚のベースは、中川五郎氏のレコーディングや(ex頭脳警察)石塚俊明とリズム隊を組むなど各地で人気急上昇中。ドラマーあだち麗三郎はタラチネのメンバーとしてクラムボンミト氏プロデュースでのアルバムをリリース。米国SXSWや極東最前線に出演の俺はこんなもんじゃないのメンバーとしても活躍するなど彼の才能は国内外で評判が高い。

若者4人衆が、懐かしくも新鮮な街の風を吹かせるべく待望の1stアルバム『おはよう おやすみ』を世の中に送り出す。風のようにとりとめもないものだからこそ、いつまでも廃れることなく響き続ける日常の「うた」と「おんがく」が詰まった傑作の誕生です。ミキシング・マスタリングはゆら帝でもおなじみ中村宗一郎が担当しています。

1曲目「休日の朝」から静かに幕をあげる三輪二郎といまから山のぼりの長くてどこかひょうきんな旅路。休日の電車には、酔いどれたちの夢がまだ漂っている。朝焼けの空を見ながら、とりとめのない思いばかりが重なっていく。うつらうつらとした意識の中で、一筋のメロディーが微かに聴こえてくる。その音は、少しずつ少しずつ音量を上げていき、いつのまにか心と体に染み込んでいく。これからはじまる旅がいったいどんなものなのか、誰にもわかるはずがない。ただ、そこに何とも表現しようのない朝焼け、その光があること、それ自体に身を任せればよいのだ。思いわずらう必要はない。物語はそこからはじまる。三輪二郎といまから山のぼりと共にキミだけの物語が。