月光荘

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2008/06/05 ISSUE

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・エッセイ「君からメールが来ないから」第3回 (文・佐藤 正訓)
・編集後記 (文・山藤 輝之/SUNTRONIX/月光荘)

■エッセイ「君からメールが来ないから」第3回 (文・佐藤 正訓)

4月は自主企画『都会の迷子さん』の2本立て、ハヤシライスレコード企画『古本屋百年「と」うた』とイベント尽くしだった。
そこでもいろんな方に出会うことができた。出演してくださるアーティストの皆さん、ライブハウスのスタッフさん、そしてイベントを観に来てくれる人たち。
僕は、イベントやっていて1番嬉しいことと聞かれたら、まず「人との出会い」だと答えたい。それは、イベントを続けていく上でずっと変わらないと思う。
逆に、そこがなくなってしまったなら、もうそのときはイベントをやる意味を感じなくなるだろうし、情熱も消えてしまうと思う。
そこで出会った方と顔合わせ話すこと、そしてお酒でも呑んで語り合うこと、それが何よりも楽しい。そして、そこから次なる関係が生まれていく。
公私ともに、様々な人と繋がっていくことが年を重ねていくたびにどうしようもなく嬉しくなる。20代前半頃までは、人と交わることが苦手だった。
今も苦手のままだけれども(そしてそれは今後も根本的には変わらないけど)、そこで人との関係を逃げていた自分からは少し前進できたかと思う。
それもこれも大事な「うた」があったからだ。その感謝は、これからも変わらない。変われないのだ。
6月7月と月一ペースでイベント企画します。ちょっとでも気になってくださった方、一度ぜひ遊びに来て下さい。
懐かしく、そして愛らしい「おんがく」をご用意してお待ちしてます。
いつかは、君も来てくれるような気がする。それまでは、決してやめない。もう、「君は僕のうた」なのだから。




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■編集後記 (文・山藤 輝之/SUNTRONIX/月光荘)

今回は、都内で行われている2つのライブ・イベント、「都会の迷子さん」と
「ラプソディ」の特集を組ませてもらった。
「都会の迷子さん」を主催する佐藤くんと、「ラプソディ」を主催する水庭くん。
二人の共通点はどこだろうと思ったときに、若いながらも真面目で誠実、音楽が大好きで
熱い想いを抱いている、というところが浮かんでくる。
座談会で話を振りながらも、二人のトークが転がってくると、圧倒されたなぁ。

特に都内に住んでいる方で記事を読んで興味を引かれた方には、まずは何はともあれ、
二人のイベントに足を運んでいただきたい。
イベントを体験したら、今この時代に暮らして、それぞれに音を鳴らしている人たちと、
それを聴く人たちの生活や想いや存在が、少し感じられるかも知れない。
小さな信頼や冒険や関わり合いが、そこに息づいているはずだ。

さて、そんな水庭くんに影響されて、中古で初期のL⇔Rを買ったら凄く良くて、さらには
「ブック・オフやハード・オフは楽園ですよ!」という彼のセリフに触発されて、
ブック・オフのアルバム250円均一のコーナーをくまなく眺めたりしている。
中には結構驚きの作品が落ちているものなので、お金は無くとも宝探しをしたい方は是非
チャレンジして欲しい。

初期L⇔Rなんて、ブライアン・ウィルソン・フォロワーつながりでPREFAB SPROUTを彷彿
とさせるものがあるし、宇多田ヒカルの旧譜も安く買える(新譜は高いので注意)。
宇多田ヒカルの持っているDIVA感、未来感は頭幾つか分、突き抜けている。
正直、この現状でも過小評価されている!と思ってしまうほど。
あと、ワールド・スタンダードの鈴木惣一郎が評価していたので、古内東子も買ってみた
けれど、カチっとしたバックの音と、ぬめっとしたヴォーカルの表情が織り成す情感が、
今聴くと非常に新鮮で良かったです。
鈴木氏曰く、パール感という言葉を使っていたと思う。

再評価されているけれど安くリイシューされている上田正樹なんかも良かったし、みんな
にはもっとクニ河内の諸作の魅力を知って欲しい、なんてことも思っている。

あとは、小沢健二なんかも比較的安く手に入るだろうし、「J-POPレア・グルーヴ」とも
言えるものがまだまだ眠っているんじゃないかなーと淡い期待を抱いている。
新旧、メジャー、インディー問わず、過小評価されているんじゃないかというバンド、
シンガーソングライター、アイドルなんかに心当たりがあるぞという方は是非ご連絡
ください。
あまり知られていないけれど、これから売れてほしい!というのも良いでしょう。

みんなで「J-POPレア・グルーヴ」の特集を組んで溜飲を下げようじゃないか!
キーワードは再評価、かな。
中古の値段は上がるかも知れないけれどね。




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