月光荘

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2008/07/05 ISSUE

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・エッセイ「君からメールが来ないから」第4回 (文・佐藤 正訓)
・編集後記 (文・山藤 輝之/SUNTRONIX/月光荘)

■エッセイ「君からメールが来ないから」第4回 (文・佐藤 正訓)

早川義夫さんの日記を読むのが好きだ。毎日チェックしているわけではないのだが、一月に一度か二度覗いてみたくなるときがある。
そのときは、必ず何らかの発見がある。日々の生活、慌しい毎日の暮らしの中で忘れてしまったことにふと気付かせてもらえる。
そんな気持ちになるときは、たいてい嬉しくてたまらないときか、何だか物悲しく淋しい気持ちのときだ。ようするにセンチメンタルなときだ。

ある日、その早川さんの5月2日付の日記でこんなことが書いてあった。
「どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う。」小津安二郎
「エゴイズムでない人間は、精子の段階で消滅する。」別役実
「恋をすることは苦しむことだ。苦しみたくないなら、恋をしてはいけない。でも、そうすると、恋をしていないということでまた苦しむことになる。」ウディ・アレン
「芸術は悲しみと苦しみから生まれる。」パブロ・ピカソ
全て、著名な方の引用だけなのであるが、早川さんの言葉にならない本当の言葉が言い表されているような気がして、何とも言えない胸苦しさを感じることができる。

僕は、彼らのような、そして早川さんのような、本当の意味で「熱く生きる」ことができているのか自信がまだない。
ただの自分勝手な生き方になっているような気もする。子供のまんま、自分の思い通りにいかないとすぐ拗ねて捻くれてしまう幼稚性がまだまだ体のいろんなところにあるような気がする。
芸術家という人たちは、そういう要素を多分に持ちながら、それを作品に昇華できる人のことをいうのかもしれない。
その技術や情熱を人は才能と呼ぶのかもしれない。
僕は、そういう人が好きだ。足りないもの、欠落感を自分自身の中でしっかり受け止めて、その上で自分だけの作品をものにしていく人たち。
彼らの行く先を僕はこれからも見届けたい。それが、それだけが僕の楽しみなのだ。




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■編集後記 (文・山藤 輝之/SUNTRONIX/月光荘)

今回は、最近の話を少しだけ。

豊田道倫さんのライブにゲスト出演するために、小倉(というか門司港)からザ・ムンズ
のパンツ小精こと、竹野恭章くんがやってきた。
竹野くんはあまりお金を持っていなさそうに見えるのだけれど、なんだかんだで数ヶ月
おきに東京へライブをしにやってきて、その度に、大して時間もないだろうに、
飲みに行ったり遊んだりしてくれる。
空いた時間にはちゃんと録音やら作曲やらやっているようだし、他にも飲みに行ったり
しているようなので、相変わらず凄いヴァイタリテイだな、とか、地元ではどんな生活を
しているんかなぁとか思ったりする。

今回、竹野くんからは、東京で一緒に何か録音しようという話をもらって、機材や楽器を
用意して待っていたのだけれど、結局二人で山ほどビールを開けて酔っ払ってしまって、
ちょっと一緒にギターを弾いて歌うぐらいしかしなかった。
自分が飲んで記憶をなくすなんてことは、今まであまりなかったと思うのだけれど、
この日はかなりはしゃいでいたようで、ギターを弾いたこともほとんど覚えていないし、
竹野くんが色々言ってくれたことも覚えていないし、迷惑をかけてしまったようなので
思い出すと恥ずかしい限り。

それでも終わってみれば楽しかったし、どうやら楽しんでくれたようなので、まぁ良しと
しよう。
なんでも話し合うことができて、根底でお互いに信頼がある友人がいるというのは
ありがたいことだ。

竹野くんは次回は9月に水庭くんのイベント、Rhapsodyにザ・ムンズとして出演するため
に上京してくる。
(ADVERTISEのページにてスケジュール確認できます)
次はビールの量を減らしてミュージックの量を増やすのか、今回の二の舞なのか?
どちらにしても楽しみにしている。
いや、やっぱり飲みすぎは良くないよね。




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